「睡眠不足は脳のゴミ溜め?」世界アルツハイマー月間に知っておきたい、脳と睡眠の深い関係

9月は「世界アルツハイマー月間」です。

認知症の予防というと、バランスのよい食事や適度な運動、手指を使う趣味などがよくクローズアップされますが、実はその土台として見逃せないのが「睡眠」です。

「しっかり眠ることは、未来の脳を守ることにつながる」

近年の脳科学で次々と明らかになっている、睡眠とアルツハイマー病の知られざる関係についてお伝えします。

目次

1. 科学で注目!眠っている間に、脳は大掃除をしている

「寝不足が続くと、なんだか頭がスッキリしない」「物忘れが増えた気がする……」 そんな感覚を持ったことはありませんか?

実はこれ、単なる気のせいではありません。

アルツハイマー病の原因の一つとされるタンパク質「アミロイドβ(脳の老廃物・ゴミ)」は、私たちが日中起きて活動している間にも、脳内で少しずつ蓄積されています。

では、この溜まったゴミはどこへ行くのでしょうか?

近年の研究で、私たちが夜ぐっすり眠っている間に、脳内では「グリンパティックシステム(脳の排水・洗浄システム)」という驚くべきメカニズムがフル稼働していることがわかってきました。

このシステムは、脳脊髄液をポンプのように循環させ、日中に溜まったアミロイドβなどの老廃物をきれいに洗い流してくれています。

そして、この脳の洗浄が最も活発に行われるのが、夜眠ってから最初に訪れる「最初の深いノンレム睡眠」です。

つまり、睡眠不足が慢性化するということは、「脳のゴミが毎日少しずつ溜まり続けてしまう状態」をつくることと同義なのです。

2. 脳の排水力を高めるために、今日からできること

「じゃあ、長く寝ればいいの?」というと、そう単純でもありません。大切なのは時間以上に「睡眠の質(深さ)」です。

脳のスイッチをしっかりオフにし、最初の深いノンレム睡眠へスムーズに入るために、今日から意識したいポイントをいくつかご紹介します。

①深部体温のコントロール
人間の体は、体の中心の温度(深部体温)がスッと下がるときに眠気が訪れます。寝る90分前くらいにお風呂に浸かったり、足湯で末端を温めたりして、心地よい体温のめぐりを作ってあげましょう。

②呼吸で自律神経をスイッチング
日中の緊張やストレスが残ったままベッドに入ると、脳が覚醒して眠りが浅くなります。「吐く息」を意識した深い呼吸やリラックス法を取り入れ、心身を「お休みモード」に切り替えます。

③スマホのブルーライトを遠ざける
夜遅くまでの画面の光は、脳に「まだ昼間だ」と勘違いさせ、深い睡眠を妨げる大きな原因に。寝る前のひとときは、スマホを置いて目を休める時間をつくりましょう。

3. 未来の自分のために、今夜の睡眠を「投資」に変える

「疲れたから、仕方なく寝る」 私たちは普段、睡眠をどこか「日々の疲れを消すための消極的な時間」として捉えがちです。

ですが、年齢を重ねてもクリアで健やかな脳を維持していくためには、睡眠は「脳のメンテナンスとデトックスを行うための、積極的な時間」という意識に変えていく必要があります。

今夜の睡眠の質を高めることは、数十年後の自分の脳を守るための、最も身近で確実な「健康投資」です。

「最近、なんだか眠りが浅いな」
「朝起きてもすっきりしないな」

そんなサインを感じたら、ぜひ今夜は少しだけスマホを早く手放して、自分の脳と体をたっぷりと労わってあげてくださいね。

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